こんにちは!整備士のRedT(@RedT41921)です。
そろそろ田植も終わり春作業も一段落した方も多いのではないでしょうか?
私の整備工場も今月いっぱいで大体田植機の修理は終わりになりそうです。
作業が終わればトラクターや田植機の洗浄やメンテナンスですね!まめに手をかけてあげる事が機械を長持ちさせる秘訣になります。
そこで今回はトラクターのメンテナンスで意外と忘れがちなメンテナンス箇所をご紹介したいと思います。
ユニバーサルジョイントのグリスアップは忘れずに!
その超重要な箇所とは本機と作業機を繋ぐ『ユニバーサルジョイント』の事です。
『ユニバーサルジョイント』は上の写真の黄色いカバーを被った箇所になります。
後で説明しますが、このジョイントにはグリスニップルが付いています。そのグリスニップルにしっかりとグリスを注入しないとジョイントは壊れてしまいます。保管状況にもよりますが、5~6年程メンテナンスをしていなければ破損する可能性があります。
写真の様にクロスになっている部分から千切れてしまいます。クロスの部分にはニードルベアリング(細い棒の様なベアリング)が詰まっているのでグリスが無くなって錆び付くと無理に回転しようとして破損してしまいます。
ではメンテナンス方法を説明していきたいと思います。
ユニバーサルジョイントのメンテナンス方法
用意するもの
用意するものは
・グリスポンプ
のみです。他にはワークライトがあると作業しやすいと思います。
ステップ1 グリスニップルの位置を確認
ステップ2 カバーの穴からグリスポンプでグリスを注入
先程とはジョイントが違いますが、カバーの穴から覗くと写真の赤丸部分の奥にニップルが見えます。そのニップルにグリスポンプの先端を差し込みグリスを注入します。ここで注意するポイントはグリスがきちんと注入されているか目視で確認するのが難しいという点です。
ステップ3 グリスが注入されているかは音で確認
グリスニップルにグリスを注入するのは少々コツが必要です。グリスポンプの先端がすこし斜めになっているだけでも上手く注入されずニップルの外にグリスが広がってしまうなんて事がよくあります。
ユニバーサルジョイントでは黄色いカバーがあるので上手く入っているかどうか目視で確認できません。カバーを外すのは結構な手間なので余りお勧めは出来ません。カバーがすでにボロボロになっている場合は別ですが…。
ではどうするか?と言うと『グリスが注入されている音』で判断します。
グリスが上手く注入できると『ミチミチッミチミチッ』という音が聞こえます。これはクロスの部分のベアリングの隙間からグリスが漏れ出している音です。
音が聞こえない場合はグリスが上手く注入出来ていません。
注意点は『ミチッ』と音が鳴ったらすぐに注入を止めず、暫くグリスを注入し続けることです。何故かと言うと元々注入されていた古いグリスを押し出して綺麗なグリスを注入する為です。グリスが入っていても古く腐ったようなグリスでは逆効果です。
ステップ3 クロスの部分全てにグリスを注入
通常ユニバーサルジョイントには本機側と作業機側の2カ所にクロス部分がありニップルでグリスを注入します。
ですが大型のトラクター(大体50馬力~)はSヒッチやLヒッチが付いており、それに伴って大型のユニバーサルジョイントになります。
壊れている写真ですがこれが大型のジョイント(広角ジョイント)になります。このジョイントにはクロス部分が3カ所あります。ニップルはそれに伴ってクロス部に3カ所と更に写真左の円盤の様な部分に1カ所の計4カ所あります。
各ジョイントの全てのグリスニップルからしっかりとグリスを注入しましょう。
ステップ4 実は黄色いカバーにもニップルが!
とても解りにくいのですが黄色いカバーにもニップルが付いています。
写真の青丸部分にボッチが見えるかと思いますが、それがグリスニップルになります。
ここにもしっかりとグリスを注入しないとカバーの破損につながります。このカバーだけを部品で注文する事は出来ますが、カバーはLとRで分かれており各1万円程のとても高価な部品になっています。
こちらもきちんと手入れをしておきましょう。
まとめ
今回はトラクターの重要な部分『ユニバーサルジョイント』のメンテナンス方法を記事にしました。慣れるまでは少し面倒ですが、ちゃんとメンテナンスをしておくようにしましょう。
因みにユニバーサルジョイント一式の値段は小さい物だと3万円程、中程度だと5~6万円、大きい物だと10万円以上になります。
面倒だからとグリスアップをしておかないと大損害になりますので注意しておいてくださいね。