農機具情報局

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【2023年版】自走式草刈機のおすすめ5選!『畦畔草刈機編』

こんにちは!整備士のRedT(@RedT41921)です。

農家さんが一番苦労する農作業と言えば草刈り作業ですね。

良い除草剤も多いので除草剤散布がメインの方もいらっしゃると思いますが、近年の物価高で除草剤も値上がりしている為、自走式での畦草刈り作業が増えた農家さんもいらしゃるのではないでしょうか。

今回はもはや1農家に1台以上所有されているであろう自走式草刈機について解説していきます。

以前も記事にしましたが最近は自走式草刈機の種類も増えてきたので改めて記事にしたいと思います。

そして今回は畦畔草刈機のおすすめをご紹介します。

 

自走式草刈機とは?

自走式草刈機とはエンジンの動力で自走することが出来る草刈機です。走行部はチェーンやギヤ駆動、刈刃の部分はベルト駆動が一般的です。

これとは別に乗用タイプの草刈機もあります。ゴルフ場や大きな公園で見た事があるのではないでしょうか。

自走式草刈機の種類

一口に畦畔草刈機と言っても結構な種類が有ります。詳しい種類はこちらのリンクを参照して下さい。

参考リンク:草刈機 | 製品一覧 | 株式会社オーレック [ OREC CO.,LTD

水稲栽培で使用する自走式草刈機は

  1. 畦畔(あぜ)草刈機
  2. 法面(斜面)草刈機

の2種類になります。

発売しているメーカーは

  1. 斎藤農機製作所(OEM:クボタ、丸山製作所、ゼノア)
  2. オーレック(OEM:共立(やまびこ)、ISEKIアグリ)

ホンダなどもOEMで自走草刈機を販売していますが、刈刃が1枚のタイプの一面刈りなので水田の草刈りには向きません。

それでは今回は二面刈りタイプをご説明します。

畦畔草刈機とは?

畦畔草刈機は草を刈る刈刃が二面に分かれています。刈幅が1mの型式は刈刃が三面あります。

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上の写真の様に畦の上面と側面を同時に刈ることが出来ます。 それ程高い畦で無ければこれ一台で十分間に合いますね。刈幅も以前に比べ様々なタイプが発売されていますし、刈刃がバータイプやフリー刃だったり、走行部がクローラタイプの物があったりと選択の幅があります。

各メーカーのラインナップ

ラインナップ比較表

二社のラインナップを表で比較します。

メーカー 本機型式 総刈幅 上面刈幅 側面刈幅 最大馬力
クボタ
(斎藤農機)
(S)GCM750-FC 750㎜ 350㎜ 400㎜ 5.6PS
(S)GC705RD-FC 700㎜ 300㎜ 400㎜ 5.6PS
(S)GC605R-FC 600㎜ 300㎜ 300㎜ 4.8PS
(S)GC705RD-C 700㎜ 300㎜ 400㎜ 5.6PS
(S)GC-Q60 600㎜ 300㎜ 300㎜ 2.2PS
オーレック
(やまびこ)
WMC1317F 1020㎜ 345㎜ 345/330 7.0PS
WMC747P 710㎜ 355㎜ 355㎜ 7.0PS
WM757P 710㎜ 355㎜ 355㎜ 7.0PS
WM746F 690㎜ 345㎜ 345㎜ 6.3PS
WM646F 600㎜ 300㎜ 300㎜ 6.3PS
WM634 600㎜ 300㎜ 300㎜ 4.2PS

畦畔草刈機だけでこれだけの種類があります。

SGCシリーズは斎藤農機製ですがクボタの方が解りやすい為、クボタでの型式のGCシリーズ表記でいきます。

補足説明で、クボタの『GC705RD-C』のみ刈刃がバータイプ、それ以外はフリー刃タイプです。

また、オーレックの『WMC』と付く型式のみ走行部がクローラタイプとなっています。

二社の違いは?

二社間で最も違う点は上面と側面の刈幅の違いです。

クボタの二面刈りの刈幅は上面が狭く、側面が広くなっています。

オーレックの二面刈りは上面と側面は同じ刈幅になっている点です。

後は、クボタは畦畔草刈機オーレックはあぜ草刈機と呼び方も違うのが面白いです。

ご自分の圃場の条件を考えてメーカーを選択して頂きたいと思います。

おすすめの畦畔草刈機はこれだ!

第5位 クボタ『GC-Q60』

 
第5位はクボタの『GC-Q60』です。
軽量畦畔草刈機と言うだけあり兎に角軽いのが良いという方におすすめです。
馬力は2.2PSと小さいですが、バックギヤやフリー刃タイプと欲しい装備はしっかり付いています。
そして上記の表を見てもらうと解るようにかなりの計量化になっています。基盤整備がしっかりとしてある圃場ではやや頼りないですが、畦越えや旋回の多い山間地区の圃場で最も性能を発揮するのではないでしょうか。
製品の紹介動画もあるので気になる方はご覧ください。
第4位 オーレック『WM646F』
 

第4位はオーレックの『WM646F』です。

やまびこの『AZ646F』がOEMの同等型式となります。赤色が良い方はやまびこ製をお選びください。(オーレックより少し安い)

刈幅は第5位のGC-Q60と同じ60㎝ですが、こちらは馬力が6.3PSと3倍弱パワーアップしています。総重量も71㎏と重くなりますが、駆動が前輪後輪の2WDなので安定感は抜群です。

刃もフリー刃が付いていますし、車速も早い為、草刈り作業の時間短縮に一役買うのではないでしょうか?刈幅が70㎝だと広すぎるなと感じる農家の方に特におすすめです。

第3位 クボタ『GCM750-FC』

第3位はクボタ『GCM750-FC』です。

ネットショップでは販売されていないようなので画像のみとなります。パッと見ただけで他の畦畔草刈機とは違うなと思わせるほど強そう(笑)ですよね。

2022年から発売された新型機です。高能率・高耐久のプロ仕様といううたい文句です。こちらも前輪後輪2WD、フリー刃タイプとなっています。プロ仕様というだけあって前進も3速あり、走行スピードも速くなっています。

そして一番のポイントは刈幅が上面が350㎜側面が400㎜の総刈幅750㎜となっている事です。畦畔草刈機では最長の刈幅になっています。エンジンは現行のGC705RDと同じなので燃費は変わらない為大幅に作業能率は上がっています。

正直な所を言いますと現行のGC705RDは中央部分の刈り残しが多かった為、その刈り残しを無くす為に刈幅750㎜のモデルを作ったとかなんとか…。

それはさておきこのモデルのおすすめポイントは三面刈りだと扱いずらいけど二面刈りで兎に角刈幅が広い畦畔草刈機が欲しいという方におすすめです。

第2位 オーレック『WM746F』

 

第2位はオーレック『WM746F』です。

やまびこの『AZ746F』がOEMの同等型式になります。

こちらのモデルの刈幅は上面345㎜側面345㎜総刈幅690㎜となっています。オーレックは上面側面の刈幅が同じなのが特徴です。

こちらのモデルも前輪後輪2WD、フリー刃タイプになっています。

おすすめのポイントはズバリ馬力です。クボタ製に比べ同じ様な刈幅のモデルと比べても1PS程度馬力が大きくなっています。そしてオーレック製の特徴は前輪と後輪との距離が少し長い為、前輪を持ち上げての旋回動作が非常に楽な事です。旋回動作や畦越えが多めの農家の方におすすめします。

第1位 オーレック『WM757』
 
そして第1位はオーレック『WM757』です!
第2位の『WM746F』の上位互換モデルとなっています。こちらもクボタの『GCM750-FC』と同じく高能率・高耐久のプロ仕様。
刈刃のカバー部分も高耐久の素材が使われており、従来機だと良くある錆びて穴が開く現象も大幅に改善されています。
更に刈幅も上面355㎜側面355㎜総刈幅710㎜と従来機より若干刈幅が広がり、エンジンの馬力も6.3PSから7.0PSへと馬力アップしています。それに伴って前進も3速になり作業能率もアップしています。
おすすめのポイントはオーレックならではの取り回しの良さと高馬力による作業能率の良さ、そして煩わしかったカバーの穴あきが軽減されるという点です。
少し小売価格が高めですが、私の農機工場でも一番売れている間違いのないモデルです。

まとめ

今回は畦畔草刈機のおすすめモデルを紹介させて頂きました。クローラタイプや三面刈りタイプなど様々なモデルがあるのも特徴的ですね。

畦畔草刈機も随分と小売価格が上がってしまいました。購入を検討されている方は再度の値上げが無いうちに購入をおすすめ致します。

次回は法面(斜面)草刈機のおすすめをご紹介します。