農機具情報局

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【動画あり】無人トラクターの実演を見てきました!

先日私の整備工場の近くで無人のトラクターの実演をするという情報をキャッチし会場に潜入してきました。

展示会等で動いているのは見た事がありましたが、実際に耕うん作業をしているのは見た事が無かったのでとても楽しみでした。

ちなみにこれらの無人のトラクターは『ロボットトラクター』『アグリロボ』という名称になっています。

折角なので各メーカーのロボットトラクターがどのようなものなのか説明したいと思います。

クボタ アグリロボ『SL60A』

ロボットトラクターを最初に発売したのは『下町ロケット ヤタガラス編』でもおなじみのクボタが2017年6月に発売を開始しました。

小売価格は税抜きで約970万~1,100万円です。

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メーカーHPのリンクはこちら

www.jnouki.kubota.co.jp

型式は『SL60A』の一機種。馬力は60馬力で大規模の農家さんには少し物足りない馬力かもしれません。

更にホイール仕様のみとなっているのでハーフクローラタイプが人気の地区は厳しいかと思います。

有人仕様と無人仕様の2パターン有りトラクターに取り付けられた移動局のみと、より正確な作業が出来る移動局+基地局のタイプがあります。

正直なところ移動局のみだと1m位誤差が出るとのことなのでそこまで誤差があると使い物にはなりませんね。基地局=RTK(Real Time Kinematic)測位では3~5㎝位の誤差だそうでどう考えても基地局は必須かと思います。

今後高馬力のトラクターのラインナップも増えていくでしょうし、農機具業界のトップとして田植機やコンバインなどの無人機を早くお披露目してもらいたいと思います。

ヤンマー オート/ロボットトラクター『YT488A/498A/4104A/5113A』

続いて発売したのがヤンマーになります。2018年10月から発売開始となりました。

同時に4型式、更にホイール型とハーフクローラ型のどちらも発売となりました。

小売価格は税抜きで1,072万5,000円~1,549万5,000円になります。

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メーカーHPのリンクはこちら

www.yanmar.com

いきなり4機種、更に型式によりますが今使っているトラクターもオート/ロボット仕様に後付けでバージョンアップが可能と並々ならぬ気合を感じさせます。

ヤンマーのトラクターは見た目が独特なので好き嫌いが有ると思いますが、無人トラクターに関しては他社より一歩進んでいるかなと感じました。

イセキ ロボットトラクタ『TJV655R』

そして最後は2018年12月に発売されたイセキのロボットトラクタ『TJV655R』です。

馬力は65馬力でホイルタイプのみとなっています。

小売価格は税抜きで1,211万円です。

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イセキのロボットトラクタ詳細は下記リンクから

https://www.iseki.co.jp/products/tractor/trac-robot/

実機を見ていないのではっきりとは解りませんが、他のメーカーとここが違うという点は特にないかと感じました。

このトラクターもRTK-GNSS基地局を使用します。基地局の有効範囲は2㎞だそうです。

ヤンマー ロボットトラクター『YT5113A』実演動画

実演会場で撮影した動画はこちらになります。


[ヤンマーロボットトラクター on Vimeo

それなりに良く撮れたかなと思いますが、動画のアップロードの仕方が良く解らないので今回はvimeoでアップロードしてみました。

圃場の登録方法や操作等は各社のHPで確認してもらう方が解りやすいかと思います。

ちなみに動画は下の図の左側の耕うんパターンで実演しています。

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有人のトラクターの様に畦際まで進むことが出来ないので一回でぐるっと旋回する事は出来ません。

有人機と無人機での協調作業なら図の右側のパターンで耕うんをしたほうが効率は良さそうですね。

総括

今回の実演は本当に大満足の素晴らしい実演でした。

本当に下町ロケットのドラマの中にいるようなとても不思議な感じになりました。

ロボットトラクターの事を調べていて気になった点は、現段階では有人の監視の元でないとロボットトラクターを使う事が出来ない事です。ヤンマーだと操作するタブレットを持った人間が無人機から100m以内にいないと操作する事が出来ません。

現在の圃場は昔と違いとても大きな圃場になっています。直線距離で200m以上ある圃場も珍しくはありません。ですので畦際で人間が他の農作業をしながらロボットトラクターに耕うんしていてもらうという方法は余程の条件でないと難しいですね。

更に、無人機は圃場の中央部分しか耕うん等の作業が出来ない為、畦際や仕上げ部分は有人機で作業するしかありません。

現状でのベストな使い方は有人機と無人機の協調作業です。無人機を先に耕うんさせてその後を付いて行って有人機で仕上げる方法がロスが少なくてすむと思います。

協調作業をした場合メーカーによる試算では無人機は多少ロスがあるので有人機+無人機=2倍とはならず1.5か1.6倍の作業効率のアップになるようです。

今後法律の改正や技術の進歩によりロボットトラクターを取り巻く状況は変化していくと思われます。

「農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドライン」の改訂について:農林水産省

こちらは現在の自動運転等の農機のガイドラインです。当然ですがどうやって安全を確保するかというのが自動運転の焦点になっています。

そしてもう一点はやはり費用です。ロボットトラクターだけで最低でも1台1,000万円以上し、オプションの基地局は一基あたり70万円以上します。

新しい自動運転のシステムが発売されたら新たに買いなおす必要は無くバージョンアップしていけば良いとの事なのでその点は安心しました。

基地局に関しては6月3日にこの様な記事がありました。

ソフトバンク、基地局を活用した誤差数センチの測位サービスを11月に開始 - ITmedia Mobile

ヤンマーの農機限定ですがソフトバンクの基地局がRTK測位をしてロボットトラクター等に送ってくれるそうです。時代の最前線を進む孫さんらしく流石だなと感心しました。

費用については今後技術が進歩していけば自ずと抑えられていくと思いますが、現状ではかなり高価なのですんなり導入とはいかないと思います。

まだ始まったばかりの自動運転技術ですが、今後どのように発展し農家さんの手助けになるのかますます目が離せない分野だと今回の実演を見て改めて思いました。