農機具情報局

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秋作業のトラブルランキング!

こんにちは!整備士のRedTです。

稲刈りシーズンになり農家の皆さん、農機具屋さんも大変忙しい毎日を送っていることと思います。

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ここにきて晴れの日が続いているので大分田んぼも硬くなりましたが、8月後半から9月頭位は長雨の影響で思い通りに稲刈りが進まず、更に田んぼもグチャグチャで例年以上にトラブルが続いているのではないでしょうか。

かくいう私も連日のトラブル続きで残業時間がえらい事になっています…

余りブログの記事を書く時間もない為、今回は簡単に秋作業時に多いトラブルをランキングにしたいと思います。

1位 コンバインの可動転輪(アイドラやトラックローラー)のトラブル

私の整備工場で秋に最も多い修理はコンバインの転輪の修理です。

シーズン前に点検していれば良いのですが、ノーメンテの場合数年でローラーやアイドラの中のベアリングが壊れます。

アイドラはコンバインの一番後ろにある転輪ですが、それが壊れるとクローラの張りが足りなくなりクローラが脱げてしまい走行不能になります。

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青丸がトラックローラー赤丸がアイドラになります。

今年の様なグチャグチャの田んぼでこの様なトラブルが起きると、とても修理に手間がかかる為、修理費用も高額になります。

オイル式ならまだ持ちは良いのですが、グリスアップ式は毎年きちんとグリスを入れておかないと簡単に壊れます。必ずシーズン前にグリスがあふれ出てくる位入れましょう。

2位 コンバインのクローラが切れる又は、芯金が取れる

これも良くある修理です。コンバインのクローラは通常に使用しているとゴムの劣化によりアワーメーターがおおよそ700~800時間で切れます。

クローラの外側の亀裂はそれ程気にしなくても大丈夫ですが、中央の部分に亀裂が入ってくると芯金が取れてしまいクローラが外れます。クローラがブツンと切れるより圧倒的に芯金が取れる方が多いです。

亀裂をふさぐ修理をしている所もありますが、外側の亀裂なら修理する価値はありますが内側の亀裂は修理よりも新品に交換するほうが良いと思います。

重機用にクローラーを製造している会社が農機具用にクローラーの製造販売をしています。最近はラグパターンも豊富で適合しないコンバインの型式はほぼありません。費用も純正(ブリジストン)品よりも1/2~2/3に抑えることが出来るのでおすすめです。

3位 駆動ベルトが切れる

コンバインに限らず秋農機は各部を動かすのに沢山のベルトを使っています。

コンバインであればカバーを外せば確認できる1、2番ラセン駆動ベルトやカッター駆動ベルトであれば交換は簡単ですが、コンバインを前後進する為のHST駆動ベルトは刈取部の下側から覗かないと見えないので自分で確認するのは難しいです。

すぐに切れる様なベルトではありませんが、2~3年に一度は農機具屋さんに点検整備をしてもらい確認するのが良いでしょう。

4位 籾摺機や計量機、色彩選別機のゴミ詰まり

修理に行った際、去年掃除したのに今年使い始めたら詰まってしまった、という話を良く聞きます。全く掃除しないという方は仕方ないですが、きっちり掃除してもどうしても見えない部分で米などが残っているものです。

その残った米などに虫が付き、米やヌカなどが集まって綿のようになります。これが米の通るパイプや通路にくっ付いていると流れが悪くなり、最終的に詰まってしまいます。

そうならない為にシーズン後、そしてシーズン前は必ず掃除するようにしましょう掃除にはコンプレッサーでのエアブローがおすすめです。ブロワーでも良いのですがどうしても狭い場所や細かい部分は飛ばしきれないのでコンプレッサーが無い方は購入を検討してみてはいかかでしょうか。

5位 乾燥機の火が付かない

毎年何件かは必ずある修理です。前もって点検していれば良いのですが、籾を張り込んだ状態で火が付かないと大変な事になります。乾燥機に籾を入れる前に必ず火が付くか確認して下さい。付いたら最低でも2~3分は付いているかも要確認。

乾燥機も何本もベルトを使用しているのでベルトの劣化や摩耗もチェックする様にしましょう。

総括

秋農機は春農機よりも事前に点検をするのが重要です。コンバインの格納整備はとても高額になる為、躊躇してしまいがちですが余程機械の構造を理解していない限り、自分でメンテナンスをするのは限界があります。

数年に一度で結構ですので、近くの農機具屋さんに整備依頼をする事を強くお勧めします。コンバインほどでは無いにしろ乾燥機や籾摺機等も点検を依頼した方が良いかと思います。

秋作業は天気次第なので思うように進まない事も多いかと思いますが、重大な事故が起こるのも秋での作業が多いです。焦らず急がずそして余り修理を急かさず(汗)お互いケガの無いように今年の秋も頑張りましょう!