農機具情報局

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スパイダーモア【SP850~SP852F】のベルト交換の手引き

こんにちは!整備士のRedT(@RedT41921)です。

前回はおすすめの自走式草刈機を紹介しました。

www.agurimecha-redt.com

今回はオーレック製の自走式草刈機『SP850~SP852F』のベルト交換を解説したいと思います。

 

オーレック製スパイダーモアSP850シリーズとは

スパイダーモアシリーズは2001年にSP50が発売され2003年にSP850,SP850Aが発売されました。SP850Aが発売されるとその使いやすさから全国で爆発的なヒットになり、農家さんの草刈り作業を一変させたと言っても過言ではありません。

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上の写真はオーレック製の最新型SP852Fです。共立(やまびこ)からも発売されていて型式はAZ852Fとなりますが、オーレック製OEM商品です。

SP850シリーズの販売年式は以下の表通り

本機型式 年式
SP50 2001~2002
SP550 2002~2003
SP850・SP850A 2003~2013
SP850B 2012~2014
SP851 2014~2016
SP851A 2016~2018
SP852F 2018~

SP850シリーズは2014年にエンジンがロビン製からやまびこ製に変わり型式がSP851に変わりました。

2018年に現行型式のSP852Fに変わりましたが、エンジン以外の部分はSP850時代から余り変更はありません。

刈刃のベルトのサイズも変わっていないので今回の交換手順はSP850~852Fまで対応しています。

それでは順を追って説明します。

用意するもの

  1. Vベルト 【サイズ A-23】
  2. めがねレンチ【10㎜ 12㎜ 14㎜】

 

ステップ1 カバーを外す

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今回のモデルのAZ850Aです。ちょと汚れていますがご了承ください。

ベルトのあるカバーはハンドルから見て左側にあります。(写真では右側)

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赤丸部分2本、10㎜のネジがあるので外しカバーを外します。

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カバーを外すと青丸部分にベルトテンションの固定ボルト、赤丸部分にベルト抑え金具の固定ボルトが見えます。

ステップ2 ベルトテンションを外す

青丸部分のテンションの固定ボルトを14㎜のめがねレンチで外します。

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この様にボルトとベルトテンション、写真真ん中の薄いワッシャーの3点に分かれます。ワッシャーは重要な部品なので無くさない様に注意してください。

ベルトテンションのベアリングもチェック

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折角外したのでテンションローラーのベアリングがスムーズに動くかどうかもチェックしましょう。

ここもダメになりやすい場所なので異音がしたり、がたつきがあれば交換しましょう。

外し方は後日説明したいと思います。

 

ステップ3 ベルト抑え金具を外す

ステップ1の3枚目の写真の赤丸部分がベルト抑え金具の固定ボルトです。

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12㎜のめがねレンチを使ってボルトを外します。

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ボルトを外しベルト抑え金具を外します。この様な形になっています。

ステップ4 ベルトを外し新しいベルトを取り付ける

ベルトは白いプーリー側から外します。ベルトを上方向(エンジン側)に持ち上げながらプーリーを回せば簡単に外れます。

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奥側のプーリーは隙間が狭いのでフレームの脇から手を入れてベルトを外します。

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今度は逆にベルトを下方向に押しながらプーリーを回せば簡単に外れます。

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古いベルトを外したら新品のベルトを取り付けます。外した時とは逆に奥側のプーリーからベルトをはめます。同じようにプーリーを回しながらベルトをはめていきます。

ベルトは三ツ星ベルトの【AGX LA23】がおすすめ!

刈刃のベルトはかなりの負荷がかかります。加えてSP851からエンジンの排気量が上がり走行スピードが速くなったので刈刃のベルトは消耗しやすくなりました。

三ツ星ベルトのAGXベルトはオレンジベルト(LAシリーズ)に比べ小売価格が2倍ですがその分、耐久性が何倍もあるので負荷のかかる場所におすすめです。

ちなみにホームセンター等で売られているレッドベルト(Aシリーズ)は農業機械用ではありません。農業機械用はレッドベルトに比べて薄形形状になっていて耐熱性、耐亀裂性などの設計になっています。レッドベルトでも取り敢えずは持ちますが緊急時以外は農業機械用ベルトを使用しましょう。

ステップ5 ベルト抑え金具、ベルトテンションを取り付ける

新品のベルトを取り付けたらベルト抑え金具、ベルトテンションの順で元に戻します。

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ベルト抑え金具は写真の青い四角の部分の様に、金具の曲がりとフレーム部をピタッとくっつけるようにしてボルトを締め付け固定します。

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ベルトテンションを取り付ける時は赤丸部分に必ず薄いワッシャーを入れ、ベルトテンションとフレーム部で挟みボルトで固定します。

ステップ6 作動確認をする

ベルト部のカバーを取り付ける前に刈刃のクラッチを入れ、きちんとテンションが動きベルトが張るか確認しましょう。薄いワッシャーがきちんと入っていないとテンションが上手く動きません。

ちゃんと動いている様ならベルトのカバーを取り付け刈刃のベルト交換は終了です。

まとめ

交換作業お疲れ様でした。ベルトをすんなりと外すにはそれなりにコツがいりますが、慣れてしまえばとても簡単な作業です。

今シーズンの作業が終了した時も掃除がてらベルトのカバーを外して状態を確認してみるのも良いかと思います。摩耗が激しいようなら今年のうちに交換しておくのをおすすめします。