こんにちは!整備士のRedT(@RedT41921)です。
今回で除雪機のメンテナンスの方法は一旦終了にしたいと思います。
第四回目はホンダのハイブリッド除雪機のオーガのベルト交換の手引きをしていきます。
ハイブリッドタイプでは無い除雪機も構造は一緒で、エンジンの動力をベルトでオーガ部へ伝えています。ただハイブリッドタイプはオーガのベルトの所にクラッチが付いている為ベルトがすんなりとは外れません。
メンテナンスのレベルとしては難しい方になると思うので写真を交えて詳しく解説していこうと思います。
今回のモデルもHSM1380iになります。
- 用意するもの
- ステップ1 外装カバーのボルトを外す
- ステップ2 ライトの配線を外し外装カバーを外す
- ステップ3 オーガの駆動ベルトを確認する
- ステップ4 ベルトテンションを緩め、ベルト抑えのケースを外す
- ステップ5 電磁クラッチの配線を外す
- ステップ6 古いベルトと新しいベルトを交換する
- まとめ
用意するもの
- Vベルト(AG-X LBサイズ)
- スパナ
- メガネレンチ
- ボックスレンチ+エクステンション
ステップ1 外装カバーのボルトを外す
まず外装カバーを外してベルトの位置を確認します。
カバーはボルトで固定してあります。右側側面の青丸3本、左側側面の青丸2本そして上部に付いているライトの下に長いボルト1本で固定されています。
上の写真の青丸部に長いボルトで固定されています。
この様なボルトでとめてあります。長さは4㎝くらいかと思います。
側面のボルトの頭は10㎜、ライトの下のボルトは12㎜です。ライトの下は狭くて外しにくいのでメガネレンチかスパナを使いましょう。
ステップ2 ライトの配線を外し外装カバーを外す
ボルトを全て外したら後はライトに繋がっている配線を外します。
写真の真ん中に見える白い2Pのカプラーがライトと本機を繋いでいます。これを外せば外装カバーを外すことが出来ます。
このようにガバッとカバーが外れます。
ステップ3 オーガの駆動ベルトを確認する
カバーを外せばすぐにベルトの位置を確認することが出来ます。
写真真ん中の2本掛けベルトがオーガの駆動ベルトです。除雪機の馬力が大きくなるにつれてベルトの本数も増えます。20馬力以上になると3本掛けがほとんどです。
ちなみにベルトの左側にある丸い物がオーガの駆動のクラッチになります。スイッチを入れるとクラッチがくっ付いてオーガ部が動きます。
ステップ4 ベルトテンションを緩め、ベルト抑えのケースを外す
ベルトを確認したら、まずはベルトのテンションを緩めましょう。
ベルトを緩めるにはこのナットとボルトを外します。こちらは外側ですが非常に場所が悪いので内側のナットを緩めてテンションを緩めましょう。
ナットは12㎜のスパナで回しましょう。ボルトの先にスプリングが付いていますが上手く外します。スプリングが下に落ちてしまわない様に注意してください。
次にオーガベルトの下側にベルト抑えのケースがあるので、これも外します。
青丸が先ほど外したテンションのボルト、赤丸部分がベルト抑えのケースです。赤丸内にある2本のボルトを外しましょう。反対側も同じように2本のボルトで止まっています。
ボルトを外して下に引っ張れば写真の様なケースが外れます。
ステップ5 電磁クラッチの配線を外す
ここが最も厄介な工程です。ホンダの旧式のタイプやハイブリッドタイプでは無い除雪機であれば必要ない工程ですが、ハイブリッドタイプでは除雪部のオンオフ操作がスイッチの為、オーガのベルトの駆動部に電磁クラッチが付いています。
ベルトを交換する際、その電磁クラッチを避けながら外すのですが、配線が繋がっていると避けて外すことが出来ません。
赤丸部分が配線です。ずっと繋がっているのでベルトが外れてきません。
クラッチを真上から見た写真です。配線を外していくためにまずはクラッチの回り止めの為のフレームを外します。赤丸部分のボルト2本を外します。頭は12㎜です。ここはボックスレンチにエクステンションを付けて外しましょう。
電磁クラッチは赤丸の緑のカプラーで繋がっています。白っぽいビニールのカバーに包まれているのでカバーをめくってカプラーを外します。後は配線が結束バンドで数カ所止めてあるのでそれを外せばベルト交換の準備が整います。
ステップ6 古いベルトと新しいベルトを交換する
ベルトは2本掛けなのでまずはエンジン側(右側)のベルトから外します。
下のプーリ側からベルトを外して写真の様にプーリの隙間を通します。
エンジン側(右側)のベルトはオーガ側(左側)のベルトを外さないと抜けてこないのでエンジン側のベルトは写真の様に一旦逃がします。逃がしたらオーガ側のベルトをエンジン側にずらしましょう。
オーガ側のベルトも上手くプーリーから外せば上の写真の様にベルトを外すことが出来ます。
テンションを緩めていても結構ベルトがきつめなので、プーリーを回しながら上手くベルトを逃がすようにするのがコツです。
古いベルトを外したら今度は逆の手順で新しいベルトを取り付けましょう。
新品のベルトは更に取り付けづらいので先程と同じ要領でプーリーを回しながら上手く引っ掛けてベルトを取り付けましょう。
これでオーガのベルト交換の作業は終了になります。
後は外したテンションボルトやベルトの下側にあったベルト抑えのケースを取り付け、電磁クラッチの配線を繋ぎ、外装カバーとライトの配線を繋いだら終了になります。
まとめ
今回はオーガのベルト交換の方法を手引きしました。ハイブリッドタイプのベルト交換はなかなか難易度が高い修理です。
ホンダのハイブリッドは素晴らしい技術だとは思いますが、電気系統が故障した場合すぐになおならい事がとても多い除雪機です。
ガソリン仕様だけなのでランニングコストもかなり高額になります。メリットだけでなくデメリットも多い除雪機ですので新品を購入する際はご自分の使用頻度などを考慮しご検討頂きたいと思います。