農機具情報局

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コンバインのエンジンオイル交換の手引き

こんにちは!整備士のRedT(@RedT41921)です。

ようやく稲刈りも一段落した農家さんも多いのではないでしょうか。使い終わった農業機械の掃除やメンテナンスはとても大変な作業ですが長持ちさせる為にもドロ落としや藁屑などの除去はしっかりと行いましょう。

さて今回はコンバインのエンジンオイル交換の仕方を解説したいと思います。

トラクターのエンジンオイル交換同様、それ程難しくはないので是非ともご自分でされる事をオススメします。

ステップ1 ドレンボルトの位置を確認

エンジンオイルのドレンボルトは座席下とクローラの間のフレームにあります。

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赤丸部分がドレンボルト

コンバインのエンジンルームは座席の下にある為、必然的にエンジンオイルのドレンボルトはその下側にあります。

写真のモデルはヤンマーのGC585ですが他のメーカーもほぼ同じ位置にあります。

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上の写真はクボタのやや古い型式のコンバインです。排油と排水のドレンボルトが直接フレームから出ています。

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こちらはクボタのARNシリーズです。排油のドレンホースはこのカバーの裏にあります。

青丸がドレンボルトを格納しているカバーになります。赤丸以外のボルトを外すとカバーが外れるのでドレンホースごと引きずり出して排油します。

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ちょっと見にくいですがこの様に排油方法のシールが貼ってあるはずです。

ステップ2 エンジンオイルを抜く

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モデルを例に進めます。エンジンルームをオープンするとエンジンがすぐに見えます。

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赤丸は給油口、緑丸がオイルゲージ、黄色丸がオイルフィルターです。

給油口のキャップとオイルゲージを抜いて排油します。

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コンバインのドレンボルトは高い位置にある為、そのまま排油してしまうと一面オイルまみれになってしまいます。なので、写真の様にダンボールなどで傾斜を作り排油する方法がいいでしょう。

オイルフィルターを交換する際はトラクターの時と同様の手順で行ってください。

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ステップ3 オイルが抜けたら新しいオイルを給油する

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当たり前ですが古いオイルを抜いたら新しいオイルを給油しましょう。型式が違っても給油口には必ずオイルと記載されたキャップが付いているので迷うことは無いかと思います。

ただ、コンバインの場合給油量はどこにも記載していない場合が殆どです。取扱説明書には記載されていますが、オイルゲージで確認しながら給油するのが間違いが無くて良いかと思います。

後日、クボタとヤンマーの農業機械のオイル量の一覧表を作成予定です。

オイルゲージとオイルキャップを付けたらコンバインのエンジンオイル交換は終了になります。

まとめ

コンバインのエンジンオイル交換はドレンボルトさえ見つけてしまえばとても簡単な作業です。エンジンの位置は決まっているので給油口なども迷う事は無いはずです。

ただ、2点ほど注意点があります。

  1. オイルはディーゼル用のエンジンオイルを給油する。現在ガソリンエンジンのコンバインは存在しない。
  2. 排油の際は慎重にやらないと大量にオイルがこぼれる。

エンジンオイルの種類についてはこちらをご参照ください。

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ガソリン/ディーゼル兼用であれば問題ありませんが、故障の原因になるのでガソリン専用のエンジンオイルを使わない様にお願いします。

2の排油は傾斜を付ける為のダンボールが滑り落ちてしまいクローラなどがオイルまみれになってしまうのを私も何度となく経験しています。地面に黒いオイルが垂れると綺麗に拭き取るのが大変なので、注意しながら排油作業をして頂けたらと思います。

低コスト化の為にも機械の長持ちの為にもエンジンオイル交換をご自分でやられてみてはいかかでしょうか?