【2019-10-14 更新】
こんにちは!整備士のRedT(@RedT41921)です。
今回は基本中の基本トラクターのエンジンオイル交換を解説したいと思います。
エンジンオイルの交換時期の目安は100時間毎、エンジンオイルフィルターは200時間毎になります。
新品購入後初めての交換時期は50時間ですが、点検も兼ねて初回は購入店に頼むのが良いでしょう。
では実際にエンジンオイル交換を進めていきたいと思います。
- 用意するもの
- ステップ1 まずは下準備
- ステップ2 ドレンボルトをメガネレンチで緩める
- ステップ3 オイルの種類をチェック
- ステップ+α オイルフィルターを交換する
- ステップ4 オイルを給油しオイルゲージで量を確認
- 廃油処理に困った場合のオススメ商品
- まとめ
今回モデルになるのは『クボタ SL54』です。
用意するもの
- ディーゼル用エンジンオイル
- オイルジョッキ
- オイルパン(廃油オイル受け)
- メガネレンチ
- オイルフィルター(交換時)
- オイルフィルターレンチ(交換時)
ステップ1 まずは下準備
初めにどれくらいのエンジンオイルの量が必要かチェックしましょう。
殆どのトラクターはボンネットを開けるとシールが貼ってあり
この様にエンジンやミッションなどのオイル量が一目で解ります。
表を見るとこのトラクターにはエンジンオイルは7リットル入ります。
次はエンジンオイルの入っているオイルパンの位置を確認します。
メーカーによる違いは無くエンジンの下にオイルパンはあります。
前輪の左右の間を下からのぞくと…
この様にオイルパンを確認できます。(赤丸部分がオイルパン)
更にオイルパンを下からのぞくと
赤丸の部分にドレンボルトが見えます。
クボタはオイルパンの真ん中のシャフトを挟んで左右にドレンボルトがあります。
他メーカーの古いモデルは左右どちらかだけドレンボルトがある仕様が多いです。
次にオイルを抜けやすくする為、まずはエンジンをかけて温めます。2分から3分程度で十分です。エンジンを回しすぎると熱くなりすぎて火傷の危険があるので注意。
次にオイルゲージを抜きます。場所は運転席に乗って右側か左側の側面にあります。このトラクターは右側にありました。
場所は赤丸の部分です。ボンネットやカバーを外さなくてもオイルゲージは抜けるようになっています。
次はエンジンオイルの抜き方と職人技を伝授(笑)します。
ステップ2 ドレンボルトをメガネレンチで緩める
使用する工具はメガネレンチです。下の写真の左側がその工具になります。
スパナやモンキーレンチでは絶対に緩めようとしないで下さい。
クボタトラクターのエンジンオイルのドレンボルトの頭の大きさは殆どが19ミリになっています。メーカーによってサイズが違うので注意してください。
ボルトの頭をなめさせないようにしっかりとメガネレンチをはめ、丁寧に回してください。
そしてボルトを緩めたら手で回して外します。
ここからが職人技の見せ所。
ボルトを外した時にオイルが手に付かない様に、外れる瞬間に手を「サッ」と引くのがポイント。
コツはボルトが外れるか外れないかのギリギリの状態で一旦止め、そこからボルトを緩めつつ上に押し当てながらボルトが外れ切った所で一気に手を引きます。
これが出来ると「こいつやるな…」と一目置かれること間違いなし!(笑)
私は手にしっかり付いてしまいましたが(笑)こんな感じで真っ黒なエンジンオイルが出てくるはずです。
反対側のドレンボルトを取るのも忘れずに。
抜けきったらドレンボルトを元通りに締め付けて下さい。
余りにも強く締めてしまうとネジ山がおかしくなってしまうのでほどほどの強さで締めて下さい。「グ~ッ」と締めて止まったら「キュッ」と力を入れて増し締めすれば大丈夫です。
ステップ3 オイルの種類をチェック
エンジンオイルの種類についてはこちらのリンクを参照ください。
このトラクターではエンジンオイルの給油口はオイルゲージと同じ右側です。
赤丸が先ほど説明したオイルゲージ、緑丸がエンジンオイルの給油口、青丸がエンジンオイルのオイルフィルターになります。
今回はオイルフィルター交換後200時間経過していないのでエンジンオイルのみの交換です。
ステップ+α オイルフィルターを交換する
別のトラクターですが、オイルフィルター交換の手引きを追記します。(メーカーによる手順の違いはほぼありません)
オイルフィルターレンチやプライヤーを使い(写真はプライヤーです)反時計回りに回します。
何十年もフィルターを交換していない場合はフィルターが張り付いてプライヤー等では回らない場合があります。
その時はカップ型のオイルフィルターレンチを使い外してください。
カップ型はサイズがあるのでフィルターのサイズを測って適正なサイズのレンチを使って下さい。
個人的にはこの様な形状のフィルターレンチをお勧めします。
クボタのトラクターだとフィルターの隙間が狭いタイプが多いのでこの様な薄手のバンドタイプは重宝します。
フィルターを外すとこの様になります。
古いフィルターだとパッキンゴムが剥がれ上の写真の部分に張り付いている場合があるので良く確認をして下さい。
左が外したフィルター、右が新品のフィルターです。
フィルターの真ん中の黒い輪っかがパッキンゴムです。
新品のオイルフィルターを付ける時に必ずパッキンゴムに少量のオイルを塗って下さい。理由はオイルフィルターを締め付ける際にゴムが傷ついたりよじれたりしない為です。
塗ったら先ほど外した部分に取り付けて下さい。ネジ式になっているので時計回りに締め付けます。
手で回して緩まない程度に締め付ければ完了です。余り強く締めすぎるとパッキンゴムが歪んでしまうので様子を見ながら締め付けて下さい。
以上でオイルフィルター交換は終了です。次はエンジンオイルを給油します。
ステップ4 オイルを給油しオイルゲージで量を確認
給油口のフタを取ります。ネジ式ですので固い場合はペンチ等で回して下さい。
この様に開くので、そこへオイルジョッキを使ってオイルを入れます。
規定量入れ終わったらオイルゲージでオイル量を必ず確認して下さい。
オイルフィルター交換時はエンジンを一度かけてからゲージを確認する事。
赤丸がオイル量下限、青丸がオイル量上限です。
オイル量は下限と上限の間であれば問題はありませんが、念のため上限一杯まで給油しましょう。
オイルゲージを確認し、問題が無ければエンジンオイル交換は終了になります。
廃油処理に困った場合のオススメ商品
自分でオイル交換をする場合一番困るのは廃油の処理です。
馴染みの農機具屋さんや車屋さんなどに処理をお願いする方法もありますが、誰でも頼めるわけではありませんね。
そこでこの様な商品をオススメしたいと思います。
使い方はとても簡単。フタを開けて箱にトラクターのオイルドレンから直接ポイパックに吸わせるだけです。
後は可燃ごみとして処分出来るのでとっても楽ですね。(地区によっては可燃ごみとして処分出来ない事があるようなので確認して下さい)
使い方は商品リンク先のページに動画があるのでそちらで確認もできます。
まとめ
いかがだったでしょうか?車体を持ち上げる必要ないので自動車のエンジンオイル交換よりも断然簡単です。
ご自分で交換すれば、オイル代や作業工賃の費用を減らすことが出来ます。
エンジンオイル交換は農業機械のメンテナンスの基本です。機械を長持ちさせる為にも定期的なエンジンオイル交換をお勧めいたします。