農機具情報局

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トラクターのエンジンオイル交換の手引き

そろそろ春作業の準備の時期になってきましたね。

そこで今回は基本中の基本トラクターのエンジンオイル交換を解説したいと思います。

エンジンオイルの交換時期の目安は100時間毎エンジンオイルフィルターは200時間毎になります。

新品購入後初めての交換時期は50時間ですが、点検も兼ねて初回は購入店に頼むのが良いでしょう。

では実際にエンジンオイル交換を進めていきたいと思います。

 今回モデルになるのは現行機種の『クボタ SL54』です。

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まずは下準備

初めにどれくらいのエンジンオイルの量が必要かチェックしましょう。

大体のトラクターはボンネットを開けるとシールが貼ってあり

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この様にエンジンやミッションなどのオイル量が一目で解ります。

表を見るとこのトラクターにはエンジンオイルは7リットル入ります。

次はエンジンオイルの入っているオイルパンの位置を確認します。

メーカーによる違いは無くエンジンの下にオイルパンはあります。

前輪の左右の間を下からのぞくと…

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この様にオイルパンを確認できます。(赤丸部分がオイルパン)

更にオイルパンを下からのぞくと

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赤丸の部分にドレンボルトが見えます。

クボタは真ん中のシャフトを挟んで左右にドレンボルトがあります。他のメーカーは左右どちらかだけドレンボルトがある仕様が多いです。

次にオイルを抜けやすくする為、まずはエンジンをかけて温めます。2分から3分程度で十分です。エンジンを回しすぎると熱くなりすぎて火傷の危険があるので注意です。

オイルを抜けやすくする為、オイルゲージを抜きます。場所は運転席に乗って右側か左側の側面にあります。このトラクターは右側にありました。

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場所は赤丸の部分です。ボンネットやカバーを外さなくてもオイルゲージは抜けるようになっています。

次はエンジンオイルの抜き方と職人技を伝授(笑)します。

ドレンボルトはメガネレンチで緩める

使用する工具はメガネレンチです。下の写真の左側がその工具になります。

スパナやモンキーレンチでは絶対に緩めようとしないで下さい。

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クボタトラクターのエンジンオイルのドレンボルトの頭の大きさは殆どが19ミリになっています。メーカーによってサイズが違うので注意してください。

ボルトの頭をなめさせないようにしっかりとメガネレンチをはめ、丁寧に回してください。

そしてボルトを緩めたら手で回して外します。

ここからが職人技の見せ所。

ボルトを外した時にオイルが手に付かない様に、外れる瞬間に手を「サッ」と引くのがポイント。

コツはボルトが外れるか外れないかのギリギリの状態で一旦止め、そこからボルトを緩めつつ上に押し当てながらボルトが外れ切った所で一気に手を引きます。

これが出来ると「こいつやるな…」と一目置かれること間違いなし!(笑)

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私は手にしっかり付いてしまいましたが(笑)こんな感じで真っ黒なエンジンオイルが出てくるはずです。

クボタ製は反対側のドレンボルトを取るのも忘れずに。

抜けきったらドレンボルトを元通りに締め付けて下さい。余りにも強く締めてしまうとネジ山がおかしくなってしまうのでほどほどの強さで締めて下さい。「グ~ッ」と締めて止まったら「キュッ」と力を入れて増し締めすれば大丈夫です。

オイルの種類をチェック

私の整備工場ではディーゼルエンジンには『DH-2 10W-30』を使用しています。

近年、排ガス規制により25.84馬力以上のエンジンにDPFマフラーが取り付けられています。 その為、使用するオイルは『DH-2』規格のオイルでなければなりません。

これはDPFマフラーの目詰まりを防止する為で、もしも違う規格のオイルを使い続けてしまうと目詰まりしてしまい、最悪の場合はDPFマフラー一式交換(部品だけでウン十万)をする事になります。

DPFマフラーの付いていない小型のエンジンや古いエンジンには『DH-2』のエンジンオイルは使う必要はありませんが、私の整備工場ではディーゼルエンジンには全て『DH-2』規格のオイルを使用しています。

色々と意見はあるようですが、オイルメーカーは『DH-1』と『DH-2』は互換性があると言っていますし、性能や価格も変わらない為個人的には使い分ける必要は無いと思います。実際に『DH-2』に切り替えて数年経ちますがトラブルは全くありません。

ネットで購入する場合はこちらで良いかと思います。値段の高いオイルを使う必要はありません。


JX ディーゼル DH-2/CF-4 10W-30 鉱物油 20L

このトラクターではエンジンオイルの給油口はオイルゲージと同じ右側です。

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赤丸が先ほど説明したオイルゲージ緑丸がエンジンオイルの給油口青丸がエンジンオイルのオイルフィルターになります。

今回はオイルフィルター交換後200時間経過していないのでエンジンオイルのみの交換です。

オイルフィルター取り付け時にオイルを薄く塗る

別のトラクターですが、オイルフィルター交換の手引きを追記します。(メーカーによる手順の違いはほぼありません)

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オイルフィルターレンチやプライヤーを使い(写真はプライヤーです)反時計回りに回します。

何十年もフィルターを交換していない場合はフィルターが張り付いてプライヤー等では回らない場合があります。

その時はカップ型のオイルフィルターレンチを使い外してください。(カップ型はサイズがあるのでフィルターのサイズを測って適正なサイズのレンチを使って下さい。)


シグネット オイルフィルターレンチ (65-83MM) 46918

個人的にはこの様な形状のフィルターレンチをお勧めします。クボタのトラクターだとフィルターの隙間が狭いタイプが多いのでこの様な薄手のバンドタイプは重宝します。

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フィルターを外すとこの様になります。

古いフィルターだとパッキンゴムが剥がれこの部分に張り付いている場合があるので良く確認をして下さい。

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左が外したフィルター、右が新品のフィルターです。

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新品のオイルフィルターを付ける時に必ずパッキンゴムに少量のオイルを塗って下さい。理由はオイルフィルターを締め付ける際にゴムが傷ついたりよじれたりしない為です。

塗ったら先ほど外した部分に取り付けて下さい。ネジ式になっているので時計回りに締め付けます。

手で回して緩まない程度に締め付ければ完了です。余り強く締めすぎるとパッキンゴムが歪んでしまうので様子を見ながら締め付けて下さい。

以上でオイルフィルター交換は終了です。次はエンジンオイルを給油します。

オイルを入れたら必ずオイルゲージで量を確認

では給油口のフタを取ります。ネジ式ですので固い場合はペンチ等で回して下さい。

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この様に開くので、そこへオイルジョッキを使ってオイルを入れます。

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規定量入れ終わったらオイルゲージでオイル量を必ず確認して下さい。

オイルフィルター交換時はエンジンを一度かけてからゲージを確認する事。

f:id:RedT:20190327225328j:plain 赤丸がオイル量下限、青丸がオイル量上限

f:id:RedT:20190327225215j:plain 必ずしも上限まで入れる必要は無い

オイルゲージを確認し、問題が無ければオイルゲージを元に戻しエンジンオイル交換は終了になります。

総括

いかがだったでしょうか?車体を持ち上げる必要ないので自動車のエンジンオイル交換より簡単だと思います。

やり方は解ったけど廃油の処理がどうしたらいいか解らないという方はこんな商品があります。

 
【Amazon.co.jp限定】 エーモン ポイパック(廃油処理箱) 4.5L 4929

これに廃油を吸わせ、後は可燃ごみとして処分出来るのでとっても楽ですね。(地区によって出来ない地区があるようなので確認して下さい)

次回はファンベルトの張りの調整方法を手引きします。

【参考記事】トラクターのファンベルトの張り調整の手引き