こんにちは!整備士のRedT(@RedT41921)です。
今回は中古の農機具の買取についてご紹介します。
私も仕事がら新しい農機具に入れ替える方や離農される方から農機具の買取を依頼される事が多々あります。特にこの時期は今シーズンの農作業が終わり離農される方の依頼が多くなる時期です。少しでも買取価格が上がるように買取査定をする立場からお伝えできればと思います。
買取価格が高い機種は?
農業機械で買取価格が高い順は
トラクター>>>>>コンバイン>田植機
となります。
トラクターは耕うんや除雪、運搬など様々な用途に使える為、買取価格は高くなります。コンバインや田植機は使う状況が決まっていて、使用期間も短い為トラクターに比べて圧倒的に安くなります。
査定時のポイントは?
査定する時のチェックポイントは5つ。
- 型式や馬力
- アワーメーター
- 故障個所の有無
- タイヤやクローラの状態
- ボディーにサビや穴などが無いか
などが査定のポイントです。
型式や馬力
当然年式が新しく馬力が多きれば新品の価格は高くなるので中古の買取金額も高くなります。しかし、余りにも大きい馬力は使う農家さんも限られるでプラス査定にはならずマイナス査定になる場合もあります。
トラクターだと30~40馬力、コンバインでは4条刈が売れ筋なので査定金額はアップします。
アワーメーター
アワーメーターとは自動車でいう走行距離です。農作業をしなくてもメーターは進むので一概には言えませんが極端に進んでいるアワーメーターの農機具は大幅なマイナス査定となります。
トラクターは2,000時間、コンバインは1,000時間、田植機では500時間。これくらいメーターが進んでいると買取はほぼ期待できません。ただトラクターは2,000時間を超えてもまだまだ使えるので査定の金額は滅多にゼロにはなりません。
故障個所の有無
まともに使えない状態は論外ですが、古くなると多い故障が油漏れです。トラクターだと後車軸、田植機やコンバインだとシリンダーなどからの油漏れは修理費もかかる為マイナス査定となります。
タイヤやクローラの状態
コンバインで一番査定に響くのがクローラです。アワーメーターが600~700時間でクローラを交換していないコンバインはマイナス査定になります。タイヤもツルツルの状態ではマイナス査定になるので注意してください。
ボディーにサビや穴などが無いか
古くなってくるとサビたり、酷い時には穴が開いたりします。特にトラクターのロータリに穴が開いていると耕うん作業の妨げになるのでマイナス査定となります。
買取価格を上げるには?
買取価格をアップさせる方法は5つ。
- きちんと掃除や洗浄をして綺麗にする
- 作業していない時はエンジンを切る
- 故障個所は速やかに修理する
- 極力屋内で保管する
- 高く買ってくれるところで売る
きちんと掃除や洗浄をして綺麗にする
自分で出来る簡単な買取価格アップの方法は農業具を綺麗にする事です。シーズンが終わると気持ち的に中々すぐに掃除や洗浄とはいかないものです。中々難しいかもしれませんが、買取価格アップの為だけではなく農機具を長持ちさせる為にも自分で出来るメンテナンスはやりましょう。
農機具にとっての大敵は泥や草などによるサビです。作業が終わった後は必ず洗浄機などで泥を落としサビないようにサビ止めのスプレーを散布しましょう。
おすすめメンテナンスグッズのご紹介
折角なので洗浄機とさび止めスプレーを紹介します。
水回りといえば丸山製作所がおすすめです。この型式は最高圧力15MPsと高い洗浄力があり、標準装備で手元で水量を調整できるM旋回ノズルも装備。エンジンもホンダ製なので心配はいらないですね。
希望小売価格は200,880円ですが、リンク先は138,800円とかなり安く販売されています。
さび止めスプレーは当整備工場ではヤナセの『さび止め太郎』を使っています。ですがネットで購入することは出来ないようです。
そこで自分でも作れるさび止めスプレーの作り方を伝授したいと思います。
作り方はとても簡単ですね!エンジンオイルは当然ですが未使用の物を使用してください。ガソリン用ディーゼル用どちらでもかまいません。完成したらサビて欲しくない場所に散布しましょう。
作業していない時はエンジンを切る
これはアワーメーターを無駄に回さないためです。事故の防止にも繋がりますので面倒くさがらずに、作業していない時やトラクターなどからちょっと離れる時などはきちんとエンジンを切りましょう。
故障個所は速やかに修理する
ちょっと油が滲んでいたり、作業機から少し異音がするなど、すぐに作業に支障が無い場合でも早めに修理をしましょう。作業が終わると忘れてしまったり、後々に重大な故障にも繋がります。そうなってしまうと大幅なマイナス査定になってしまうので、気づいたときに修理することをおすすめします。
極力屋内で保管する
これが一番難しい所だと思います。農業法人や大規模な個人の方は大きな格納庫を持っているかと思うので大丈夫ですが、小規模の方は全ての農機具を屋内で保管するのは難しいところです。中でもトラクターは屋外に出しっぱなしにされやすいのですが、出来るだけ直射日光が当たらない場所か、シートなどで保護するようにしましょう。
高く買ってくれる所で売る
これが査定アップする為の大前提になりますね。ここ数年で農機具の買取業者はとても増えました。一昔前は地域ごとの小さな買取業者がメインでしたが、今現在は全国規模の大手の買取業者が農機具買取にこぞって参戦してきています。
私も仕事で査定する立場ですが、自分たちの地区で再販売出来そうにない機械は買取業者さんに買い取ってもらう事が増えてきました。その際、私達も数社に見積もりを依頼します。物によっては数十万円の価格差がある物もあるのでやはり、複数の業者に依頼するのが買取価格アップの必須条件だと思います。
そこで、まず最初にご紹介するのはこちらです。
農機具買取査定君
運営は東証に上場しているシェアリングテクノロジーとい会社です。
非常にシンプルで見やすいサイトなので余り迷うことも無いと思いますが、不明な点は相談窓口があるので聞いてみると良いと思います。窓口の方の顔写真も載っていて沢山の方がいるので、どの方が対応してくれているのか一目で解るのも良いですね。
まずは上記のサイトで相場を調べるだけでも使ってみるのも良いかもしれませんね。
無料査定ですので買取金額が気に入らない場合はキャンセルしても料金を請求されることはありません。
このサイトでの査定を参考にされて近くにある農機具屋さんと交渉されてもいいのではないでしょうか。
農機具高く売れるドットコム
こちらも東証上場企業のマーケットエンタープライズが運営しています。こちらは一括査定では無く買取になります。全国買取対応で中古農機具業界でここの会社がトップに立つのでは無いかと私は思っています。買取実績も多く販売ルートも多岐に渡るので安心して売買が出来るはずです。
PDNS情報ネットワークサービス
こちらは農機具店と農家さんを繋ぐサイトです。閲覧や購入するにはお近くの農機具店に会員登録(農家登録)を申請をしなければなりません。少々手間がかかりますが全国規模でとても沢山の農機具の出品がされているので自分の希望に合う農機具が見つかるはずです。
ヤフオク
言わずもがな国内最大のオークションですね。買取業者の主な販売ルートもヤフオクが多いです。
自分で出品するには売りたい農機具の相場や出品の仕方、配送方法などを考えなければいけない為、かなり敷居は上がってしまいますが業者に売るより間違いなく高く売れます。自分で何でもやってみたいという方にはとてもおすすめです。
近くの農機具屋さん
馴染みの農機具屋にお願いするのも一つの方法です。農機具は全国的に見ればクボタの農機具がシェアNo1ですが、地区ごとで見ると流行っている農機具は様々です。面白いことで、この地区はイセキが圧倒的に流行っているのに、隣の地区ではヤンマーの農機具しか見かけない、なんて事がとても良くあります。
その地区で流行っているメーカーや型式なら思わぬ高額で買い取ってもらえる事も多いのでお近くの農機具屋さんに依頼するのも良いかと思います。
ですがその際も必ず無料査定で複数の業者から査定してもらうのが重要です。
まとめ
今回は中古農機具の査定アップの方法をお伝えしました。大まかにまとめると
とにかくサビは大敵なのでこまめな掃除やメンテナンスを心がけましょう。上で紹介したサビ止めスプレーをお試しいただけたらと思います。
それに加えて査定は複数社に依頼するのが買取価格アップの近道です。現在は農機具の買取業界も激戦区になってきているので買取業者も少しでも良い条件で買い取りたいと思っています。
今まで大切に使ってきた機械です。少しでも買取金額が上がるように最低でも2~3社、出来れば5社以上の査定を依頼することをお勧めします。