トラクターのエンジンを始動した時、エンジンから「キュッ、キュッ、キュッ」ととても耳に付く嫌な音が聞こえてきた時があるかと思います。
それはファンベルトの緩みからくる音です。
ファンベルトの張り調整はとても簡単なので、ぜひ自分でやってみましょう。
エンジンオイル交換の手引きはこちら
【参考記事】トラクターのエンジンオイル交換の手引き
ファンベルトはエンジンの左側
それではファンベルトの張り調整の手引きをしていきたいと思います。
トラクターのファンベルトはメーカーや年式を問わず運転席から見て必ずエンジンの左にあります。
エンジンの左側を見るとこの様な物が見えるかと思います。
モデルはキャビンタイプのトラクターなので写真左側にコンプレッサーのベルトが見えます。コンプレッサーのベルトの張り調整は後日追記します。
手前に見えるベルトがかかっているこの部品はオルタネーターという発電機です。オルタネーターが回らないと発電をしない為、バッテリー上がりの原因になります。
また、ファンベルトはエンジンを冷却する為の水の循環やファンを回しているのでファンベルトが緩んだり切れてたりしているとオーバーヒートの原因にもなります。
万が一オーバーヒートにも気づかず使用しているとエンジンが焼き付いてしまうので注意してください。
張り調整は手でグイッと引っ張る
張り調整をするにはまずオルタネーターを固定しているボルトを緩めます。
上の写真の赤丸のボルトをまず緩めます。ボルトの頭は12mmです。
次は写真の青丸のボルトを緩めます。少し場所が解りにくいですがオルタネーターのプーリの下側にあります。
最近のトラクターはこのボルト一本で止まっていますが、古いトラクターでは青丸のボルト部分は穴が貫通していてボルトとナットで締め付ける様になっています。
緩める際はナットが付いていないか確認して下さい。こちらのボルトとナットは頭が14mmになっています。
そしてボルトを緩めたら
手でグイッと引っ張ってください。ベルトの張りの基準はありますが、手で引っ張って張れる程度の張りで問題ありません。
バール等でオルタネーターを引っ張ってベルトを張る方がいますが、オルタネーターの故障の原因になります。
余りにも強く張り過ぎて負荷がかかってしまい、オルタネーターが焼けてしまったというのを見たことがあります。
適度に引っ張りながら先ほど緩めたボルトを締め付けて下さい。
エンジンをかけて音が出ないのを確認したら張り調整は終了です。
もしも、最初の写真の赤丸のボルトが端の位置に来てしまい、これ以上張れない場合はベルトの交換の合図です。
ベルトの交換はトラクターによって手間がかかる物もあるので交換の手順は後日記事にしたいと思います。