農機具情報局

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大幅に規制緩和された農業用ドローンの今後は?

こんにちは!整備士のRedT(@RedT41921)です。

段々と暖かくなってきて、いよいよ農作業の始まる時期が近づいてきましたね。

今年は水不足や新型コロナウィルスなどで今年度の農作業はどうなってしまうのか心配されている方も多いのではないかと思います。

水不足に関しては新品のエンジンポンプを購入する際に補助金が出るとの話も聞いていますし、コロナウィルスは暖かくなれば次第に収まるのではないかと思っています。出来れば早く収束してもらいたいものです。

さて今回は、昨年から話題となった農業用ドローンについて再度まとめたいと思います。規制も昨年の7月に大幅に緩和され、各社新型機もラインナップされていますので個人的に気になったメーカーをピックアップしたいと思います。

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農業用ドローンの規制緩和の内容やカタログは下記URLをご参照下さい。

農業用ドローンの普及拡大に向けた官民協議会:農林水産省

農林水産省 農業用ドローンカタログ【2020.02.17】

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www.agurimecha-redt.com

機体登録も必要無し!ライセンスも不要!

農林水産省が定めていた『空中散布等における無人航空機利用技術指導指針』が2019年7月に撤廃され、農業用ドローンの普及の一番の妨げになっていた、

『農林水産航空協会』で指定された講習施設でライセンスを取得しなければ、農業用ドローンを使用できないという義務が無くなりました。

それに伴いライセンス取得時登録した機体しか使用できないという条件も当然ありません。

昨年はクボタの営業マンがライセンスの縛りを利用して相当な囲い込みをしていらっしゃいまいたが、ライセンスの縛りが無くなったので、今年度購入を考えている方はぐっと敷居が下がったのではないでしょうか。

年一回の定期点検も不要

更に費用面では、ドローンに衝撃が加わった時に都度点検に出さなければならない事や指定業者で年1回定期点検を受ける義務も無くなりました。

大体定期点検1回毎に10万円ほど、さらに使用年数に準じて強制的に部品の交換も必要でした。その際は70~80万円程費用がかかるはずです。

機体の購入費用以上にランニングコストも課題でしたが、これで大幅なコストダウンになったのではないでしょうか。

農薬散布毎の散布計画書も提出不要

更に煩わしかった農薬散布の前に国や都道府県に提出する『散布計画書』も提出が不要になりました。

ただ、農薬の散布は「危険物輸送」「物件投下」に該当する為、国土交通大臣の承認が必要です。申請先は飛行させる場所を管轄している航空事務所か地方航空局になります。この申請はメーカーや販売店で代行申請が可能で最大一年間の包括申請が可能となっている為、それ程の負担にはならないかと思います。

国土交通大臣の承認には10時間以上の飛行経験が必要

国土交通大臣の許可を受ける際必要となる条件は、ライセンスの必要無くなったのですが『10時間以上の飛行経験』と『5回以上の農薬散布経験』が必要です。

農薬散布経験は問題ないかと思いますが、10時間以上の飛行経験というのがネックになります。

ドローンでも200g以下のトイドローンなどは飛行経験として認められませんので、農業用ドローンを先に購入して自分で飛行訓練をするか、今まで通りドローンスクールや各メーカーが開催しているドローン講習を受ける方法があります。

10時間以上の飛行経験をクリアする方法

10時間以上の飛行経験をクリアする為の方法は

  1. 屋外で飛行訓練
  2. 屋内で飛行訓練
  3. ドローンスクールなどで講習を受ける

以上の3つの方法があるかと思います。

①の屋外での飛行訓練は航空法のルールに違反しない様に訓練しなければいけません。自宅周辺では難しいかと思うので、圃場等で行う必要があります。操縦方法は航空法で指定されていますのでそれを参照して下さい。

②の屋内での飛行訓練は航空法により「四辺を壁に囲まれた屋内施設」であれば航空法は適用外になります。それなりに大きな屋内となると、学校の体育館などかと思います。一個人で借りるのは中々難しいと思いますが、グループを作って数日間借りる方法がいいかもしれません。

③のドローンスクールでの講習は今まで通りの方法です。スクールによって違いはありますが、おおよそ費用は15~25万円位でしょうか。100万円以上する農業用ドローンを購入して飛行訓練をする必要が無いので、いきなり自分で飛行訓練をするのが不安な方はスクールに通われた方が良いかと思います。

以上3点の方法を説明しましたが、自動飛行機能がある農業用ドローンは10時間以上の飛行経験が必要無い機種もあります。

飛行中に故障やバッテリー不足などの異常があった場合、手動では無く自動で停止なり戻ってくるなりの機能があれば、製造元の定めた飛行経験時間をクリアすれば国土交通省の許可が取れる事になっています。

まとめ

以上の変更点をまとめると

◆規制緩和まとめ◆ 
  1. 機体登録とライセンスの取得が不要
  2. 年一回の定期点検が不要
  3. 散布計画書の提出が不要
  4. 国土交通省の許可は必要
  5. ライセンスは不要だが10時間以上の飛行経験が必要
  6. 自動飛行機能があれば製造元が定めた飛行経験時間でOK

 

以上の6点になります。大幅な規制緩和と言っても過言では無いかと思います。今年に入り安価な農業用ドローンも発売されているので昨年より購入を検討しやすくなったのではないでしょうか。

次回は新型の農業用ドローンを中心にピックアップした記事を書きたいと思います。