こんにちは!整備士のRedT(@RedT41921)です。
先日、農林水産省のホームページに令和3年度の農林水産関係の補正予算の概要が発表されたのはご存知でしょうか?
米価が下がり収入が大幅に減ってしまった今の状況を、少しでも良くしてくれる補助金が発表されるのを今か今かと待ち望んでいた方も大勢いらっしゃるのではないかと思います。
機械の導入に関わる補助金があれば、農業機械を販売する私達もありがたい事です。
前回の経営継続補助金は上限金額こそ低かったものの多くの方が採択された良い補助制度だったと思います。
今回はその補正予算の内容を見ていきたいと思います。
農林水産関連の補正予算総額は8,795億円
令和3年度の農林水産関連の補正予算総額は8,795億円だそうです。
https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r3hosei_juten.pdf
上記のURLから今回の補正予算の重点事項が載っています。
農林水産省の補正予算に関しては下記のURLから見れます。
農業機械の導入に関する補正予算は?
令和3年度農林水産関係補正予算の概要:農林水産省の補正予算の概要を見ると1から56までと大変多く分かれています。
その中でも農業機械の導入などに関連する項目は
14.次世代を担う農林漁業者の生産性向上支援
21.新市場開拓に向けた水田リノベーション事業
22.麦・大豆収益性・生産性向上プロジェクト
以上の3点が対象になるのではないかと思われます。
米農家の方におすすめは?
米農家さんが対象の補助金は14の次世代を担う農林漁業者の生産性向上支援のみが対象になると思います。
上記の補正予算額は100億円。ですが14番は1と2に分かれています。
14-1.スマート農林水産業の全国展開に向けた導入支援事業 77億円
14-2.担い手確保・経営強化支援事業 23億円
補正予算の金額も分かれていますので注意が必要です。この2つを詳しく見ていきたいと思います。
14-1.スマート農林水産業の全国展開に向けた導入支援事業
補正予算額は77億円。PDFファイルを見る限りで解る範囲ですが、14-1の補助事業に関しては個人の農家さん一人だけでは対象になるのは難しいと思います。
14-1は更に4つのタイプに分別されています。
1.農林水産業支援サービス導入タイプ
2.一括発注タイプ
3.技術カスタマイズ等
4.共同利用タイプ
補助率はどれも基本1/2(条件を満たせば特例有)。上から順番に見ていきます。
1のタイプは農家さんを補助する事業体向けの補助金です。例えばドローンの防除等を専門で行っているような企業だと思います。実際私の周りでその様な企業が無いので全くピンと来ていないのが事実です。
パッと見る限り1経営体(法人や個人農家)が他の経営体のお手伝いの様な感じでドローンの防除をしているという場合は該当しないと思われます。
該当する事業体なんてあるのだろうかと思うような補助事業です。
2のタイプは経営体が一括で複数台のスマート農業機械を導入する場合に該当します。複数台が何台からなのか明記されていませんが、図を見る限り5台位という事でしょうか?
こちらは経営体同士が共同で購入しても対象になります。しかしこの図からではドローンのみ複数台なのかリモコン式草刈機+ドローン等の複数機種複数台なのか全くわかりません。そして噂の段階ですが、購入するスマート農業機械が値引きされて販売されないといけないという話もあります。スマート農機は条件が厳しく特にドローンはどの販売店さんも値引きしての販売は不可能に近いはずです。まだはっきりしていない為、具体的な話が分かり次第追記したいと思います。
3のタイプは事業体が対象です。漠然としていて何が対象なのか解りませんが、ドローン等は毎年点検義務がある為、その点検を出来る資格取得の為に使えるのではないかと思います。
最後の4のタイプが一番現実的ではないかと思います。
1台のドローンやリモコン式草刈機を近くの法人の方や個人の方が共同で使うという事はあるのではないでしょうか。GPSトラクターや田植機もスマート農業機械の対象になるはずですが、共同で利用するのは難しいはずです。
共同利用は故障時のトラブルが一番厄介な問題ですが、こういった機会に試しにドローンや草刈機を使ってみるのは有りだと思います。
14-2.担い手確保・経営強化支援事業
補正予算額は23億円。補助の対象者は
ア.人・農地プランに位置付けられた中心経営体(認定農業者、認定就農者、集落営農組織)
イ.地域における継続的な農地利用を図る者として市町村が認める者
配分上限は
ア.個人1,500万円・法人3,000万円(融資の活用が条件)
イ.100万円(融資の活用は不要)
となっています。
人・農地プランに関しては上記のURLからご参照ください。
こちらの補助授業は認定農業者の方や法人の方はほぼ対象になるはずです。
ですが、注意するポイントもあります。アの条件に該当する方は補助を受けるにあたって融資の活用が必要だという事です。
ただ、1,000万円の機械に対して1,000万円の融資が必要なのか、半分でいいのか100万円でもいいのかが資料からでは全く解りません。
そしてもう一つのポイントが対策のポイントにも記載がある『輸出に向けた取組など意欲的な取組』です。毎回補助事業は経営拡大や経営転換などの目標が無ければ採択される可能性は低いです。
そして今回の農林水産関連補正予算の概要のメインは『2030年輸出5兆円目標の実現に向けた農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略の実地』とあります。
こちらの補助金の金額が23億円のみなので、単純に農地の規模拡大だけでは採択される確率は低くなると思います。
こちらもどういった取組をすれば優先されるのかわかり次第追記したいと思います。
まとめ
今回は令和3年度の農林水産関係の補正予算の概要を記事にしました。14.次世代を担う農林漁業者の生産性向上支援以外の2つは後日記事にしたいと思います。
パッと見ですが今回の補助事業はかなり厳しい内容だと感じます。補正予算は2次3次と有るはずですので今後にも期待したいと思います。