農機具情報局

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共同購入トラクター第2弾発売決定!

こんにちは!整備士のRedT(@RedT41921)です。

コロナの影響で発売が遅れていたJA全農の呼び掛けによる共同購入トラクターの発売がようやく決定しました。

www.zennoh.or.jp

第2弾はクボタ製「SL33L」

第1弾は大型トラクターの60馬力クラスでしたが、今回の第2弾は30馬力クラスと中型のトラクターになっています。

製造メーカーも変わって第1弾のヤンマー製から第2弾はクボタ製になりました。

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型式は『SL33L』となります。LはリミテッドのLですね。

第1弾が入札の結果ヤンマーに決まったことでクボタ内部では相当な問題になったとか…そんな話をメーカーの担当からも聞きました。

第1弾ではクボタも60馬力クラスの低価格トラクターを独自で発売はしたのですが、やはりPRの関係上イマイチ販売が振るわなかったのかもしれません。

そんな経緯もあったので今回の第2弾はクボタ製になるだろうなと予想はしていました。

メーカー希望小売価格は285万円(税抜)

スペックやメーカー希望小売価格は下記になります。

機 種 トラクター(33馬力)
型 式 SL33LFMAEP
メーカー希望小売価格 2,850,000円(税抜)
主な機能・装備 ・ノークラッチ変速 ・自動水平制御 ・自動耕深制御
・倍速ターン ・オートブレーキ ・バックアップ
・標準3点リンクのオートヒッチが装着可能
・燃料タンク(48ℓ)
オプション 〇キャビン 〇ハイスピード 〇半クローラ

事前の告知の通り、第1弾はマニュアル(手動のギヤチェンジ)でしたが、第2弾はHSTのノークラッチ変速に変更されました。

圃場ではそれ程変速する必要は無いといっても、今のトラクターは様々な作業機を装着するので微妙な速度調整が出来るノークラッチ変速は必須だと思います。

その上でどれだけ価格を下げる事が出来るのか、私達販売店はとても気になっていました。クボタの現行モデルで33馬力のトラクターは無いのですが近い馬力や他社と比較すると約100万円程価格を抑えた設定になっています。

この価格設定には正直私は驚きました。頑張っても50万円位かと思っていたのですが、この価格帯で100万円程価格を下げるとは思っていませんでした。

その代わり第1弾の時とは違って、値引きはやや渋いとの話を聞いています。

半クローラタイプも同時発売

湿田地域では必須装備となっている半クローラも同時発売となります。前回の時はホイルタイプが発売されてから1年後の発売でしたので、商機を逃してしまった販売店も多かったのではないかと思います。

パワクロとは | パワクロ特設サイト | クボタ農業機械公式サイト

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オプションでキャビン仕様やハイスピード仕様も選択可能なのでユーザーの選択肢は従来通りになります。

中古トラクター市場は大打撃?

現在中古の主力馬力帯は20~30馬力ではないかと思います。国内だと40馬力帯も入ってくるかと思いますが、今回の『SL33L』の発売により中古トラクター市場に変動が起こる可能性があります。

中古市場でもクボタのトラクターの人気は絶大です。数十年前のクボタトラクター『KL33』でも今の相場だと150~200万円程度かと思います。

作業機無しの価格ですが定価で285万、実売だと税込み250万くらい?であれば現在の中古価格では数百時間も稼働した旧型より新品の現行機を買いたくなるのは当然かと思います。

海外の需要もある為、一概には言えませんが現在の中古トラクター相場は値下がりする可能性が大きいはずです。今現在中古のトラクターをお探しの方は来年春まで待った方が賢明かと思います。

今回は商業ルートでも販売可能

前回のヤンマーの時はどうだったのか詳しくは解りませんが、今回は全農(JA)だけではなく商業ルートでも販売されます(〇〇クボタやクボタの販売代理店)。

農業機械は自動車と違い頻繁な修理や定期的なメンテナンスが必要な為、購入金額が安いからと言って安易に購入店を決めるのは余り良くはありませんが、合い見積もりなどで競わせる事により購入希望店の条件を少しでも良くする事が出来るかもしれません。

とはいえ販売店の私からすると程々でお願いしたいところですが(笑)

まとめ

今回は共同購入トラクター第2弾について記事にしました。

クボタのシェアは農業機械全体の50%以上あるかと思うので、このトラクターの発表を待っていらした方は喜んでいる方が多いはずです。更にこの小売価格であれば、すぐにでも購入される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

さらに、今回の入札で採択されなかったヤンマー製のトラクターも自社にて発売予定という情報も出てきています。農家さんからすれば選択肢が増える事は喜ばしいはずですので詳しい情報が解り次第また記事にしたいと思います。