農機具情報局

農機具に関する情報、小売価格などのデータベース、農機具の修理説明など解りやすく説明していきます。

注目の農機具シリーズ①『えだまめ収穫機』

こんにちは!整備士のRedT(@RedT41921)です。

とても暑い日が続きますね!今年は梅雨が長く冷夏になるかも?とささやかれていましたが、このまま天気が続いてくれれば日照時間も問題なさそうです。

お米の収穫量も期待できそうで来年は農機具の更新が増えてくれる事を期待したいです(切望)

さて、今回の記事は私が個人的に気になる農機具をピックアップして紹介したいと思います。

突然ですが夏と言えばビール!ビールと言えば『枝豆』ですね!

そこで第一回目の記事は枝豆の収穫機をピックアップしたいと思います。

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枝豆の種類は400種類も!

普段何気なくスーパーなどで購入している枝豆ですが調べてみると、なんと枝豆の種類は400種類もある事が解りました。一般的な緑色の枝豆の他に茶豆や黒豆がある事は知っていましたがまさかこんなに種類があるとは思いもしませんでした。

枝豆についての詳しい説明は下のサイト様を参考にさせて頂きました。

www.edamamebiyori.com

収穫量は北海道!作付面積、消費量ナンバーワンは新潟県!

わりと有名な話ですが新潟県の枝豆の消費量は不動のナンバーワン。収穫量は北海道が一位ですが作付面積は新潟県が一位です。

そんな新潟県の代表品種は『黒崎茶豆』です。

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私も食べたことがありますが、香りが強く深い味わいが特徴です。収穫時期が短いのとやはりそこそこのお値段がする為、そう頻繁に食べる事は出来ませんが、仕事を頑張った時自分へのご褒美にたまに買って食べるくらいがちょうどいいですね。

枝豆収獲機はここまで進化していた!

それでは枝豆収獲機の紹介をしていきたいと思います。

枝豆収獲機は歩行型、乗用型、脱穀専用と意外と種類があります。

①クボタ『KME-1N』

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クボタえだまめ収穫機|クボタ電農スクエア

ヤンマーとイセキでも似たような形の収穫機が発売されています。クボタは茎を切断しますがヤンマーとイセキは根から引き抜く仕様です。

このタイプだと刈り取りはしますが枝豆を茎からもぎ取る事が出来ません。なので別に脱莢する機械が必要になります。

②ミツワ『マメモーグ KE-7型』

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えだまめ動力脱莢機-マメモーグ|株式会社ミツワ

形は変わっていますが何十年と前から使われている機械です。写真の赤いドラム部分で

脱莢し下のコンベアで運ばれてきます。

しかし、これだと大規模に枝豆を栽培している農家さんは時間が掛かりすぎてしまい効率がとても悪いですね。そこでこの様なタイプもあります。

③ミツワ『えだまめハーベスター GH-4型』

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えだまめハーベスター|GH-4型

中心にスパイラルブレードと呼ばれる2本のブレードで枝豆をもぎ取っていく構造です。もいだ枝豆はコンベアで運ばれ後ろに見える箱に入るように出来ています。

これにより大幅に作業時間は短縮されました。しかし刈取りは1条しかできず尚且つ構造的に茎の下側からもぎ取るのが難しい為、培土した状態だと下側が残ってしまうので、手でもぎ取らなくてはいけなくなります。

④ミツワ『えだまめ収穫機 GTH-1』

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えだまめ収獲機|GTH-1

こちらはトラクターの後ろに付けるタイプです。

適用馬力は34~50PSなのでやや大型のトラクターを用意しなければなりませんが、馬力があるのでとてもスムーズに作業をする事が出来ます。

1畝2条まで刈取り(もぎ取り)可能で莢だけを収穫していきます。


トラクターアタッチメント式えだまめ収穫機(GTH 1)

こちらの紹介動画を見るともぎ取った後は莢も残らずとても綺麗ですね。2条刈なので作業時間も大幅に短縮できるはずです。

⑤松本機工『MCBH11』

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matsumotokiko.co.jp

そして最後はこの機械。乗用タイプでクローラー式なのでどんな圃場でも対応できます。収穫幅は160㎝と相当な広さです。

前に付いているローラーが回転して莢をもぎ取っていきます。もぎ取った莢は後ろのコンテナに運ばれ一杯になればコンテナが油圧で昇降し莢をドバッと排出する事が出来ます。

私も実機を見た事がありますがまぁとにかくでかい!警告灯がクルクル回ったり日よけが独特な柄なので日本で発売されているものだとは思いませんでした。

製造元は松元機工という会社で乗用のお茶摘みの機械などを作っている会社です。


松元機工株式会社 枝豆収穫機 MCBH11/Edamame Drawing Harvester

ホームページも非常にシンプルで動画等も余り無いようです。色々と探しましたが上の動画を見つけるのが精一杯でした。

以前テレビで紹介された事があるようですが、これだけの農機具を自社で製造しているのだからもっとPRしたらいいのに…と思わずにいられません。

まとめ(小売価格など)

いかがだったでしょうか?一番最後の収穫機は私の地区では何台か導入が進んでいます。これからますます水田の転作畑は増えていくはずで、その主力候補の一つが枝豆栽培だと思います。

今は下火ですが転作が始まった当初は大豆がメインでした。その実績や経験もあるので枝豆栽培は農家さん達の候補になりやすいのではないかと思います。

では、紹介した農機具の小売価格等を表にします。

メーカー 型式名 発売年月 小売価格 能力
クボタ KME-1N 2013年? ¥1,550,000 8~10a/h
ミツワ KE-7型 2017年? 約¥600,000  
ミツワ GH-4型 2016年? ¥2,893,800 2~4a/h
ミツワ GTH-1 2016年 ¥4,080,000 5a/h
松元機工 MCBH11 2017年 ¥13,340,000 10a/h

仕方が無い事ですが畑作の農機具は水稲よりもどうしても高額になってしまいます。乗用のMCBH11は税抜きで約1,300万円と高級車並みの価格です。1農家だけでこの機械を購入するのは現実的では無いので複数の法人や農家さんが集まって共同利用する形が一般的です。

ミツワの機械にしても実機を見るとGH-4型やGTH-1は正直高すぎる価格だと思います。どちらかと言うとニッチな農機具なので限界はあるのですが、畑作への転換を広める為にも製造元や販売業者の方々は本体の価格を下げる努力をして頂きたいと思います。