農機具情報局

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期待の新技術『密苗(密播)』がブームの兆し?

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【2020.02.23 更新】

こんにちは!整備士のRedT(@RedT41921)です。

前回は田植の新しい技術として疎植栽培をご紹介しました。

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今回は更に新しい田植の技術としてここ数年で一気に広まってきた密苗(密播)栽培をご紹介します。

詳しくお伝えする為に4回に分けて記事にしていきます。

【最新の密苗栽培まとめ記事はこちら】

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密苗(密播)栽培は高密度で播種

ここ数年で慣行栽培から密苗(密播)栽培に切り替える農家さんが私の地域では劇的に増えてきました。

今年度から全ての作付を密苗栽培にする農業法人さんもいます。

それだけ期待されている密苗(密播)栽培について説明したいと思います。

慣行栽培では播種時に乾籾播種量は100g~150g、対して密苗(密播)栽培では220g~300gと一枚の苗箱に高密度で播種し育苗する技術です。

近年の田植機の性能が飛躍的に向上した為、高密度の苗箱からでも正確に苗をかき取れるようになりました。

ヤンマーは『密苗』クボタ、イセキは『密播』

ややこしいですが名称による違いはありません。

しいて上げるならヤンマーは乾籾播種量が250g~300g推奨に対し、クボタとイセキは220g~250gを推奨しています。

とは言えヤンマーも300gはリスクがある為、250gの播種量を薦めています。

田植えの省力技術に関してはクボタは『鉄コーティング直播』イセキは『疎植栽培』ヤンマーは『密苗栽培』を薦めていたと記憶しています。

ですので、密苗の技術に関してはヤンマーが一歩リードしているのかなと感じます。

密苗(密播)栽培はメリットがたくさん!

[図1] 密播苗と慣行苗(稚苗)の経費および労力の比較

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 図1はクボタのカタログより転載。

苗箱数が減る為、育苗ハウスなどの節約や苗運搬労力の削減等により、省力とコスト低減が見込まれます。

現場でも、苗継ぎ等の補助をされている奥様方からとても評判が良かったです。

[図2] 密苗と慣行苗の収量(単位㎏/10a)

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図2はヤンマーのHPより抜粋。

データは少ないですがご覧の通り収量は慣行苗と比べても遜色ない数字となっています。

私の地域でもH30年度の密苗の収量は慣行苗と殆ど変わりないか、思っている以上に収量があったとの声を沢山聞きました。

ではデメリットは何でしょうか?

密苗(密播)栽培の注意点は?

  1. 高密度で播種する為、徒長苗になりやすい
  2. 育苗の適期を守らないと苗が老化しやすい
  3. 代かきや移植時の水管理が雑だと欠株になりやすい

以上の3点くらいかと思います。解決策としては

  1. 慣行栽培に比べ苗が密集しているので見た目はひょろっとしたモヤシの様になります。解決方法はこまめに苗をチェックするか育苗器を使うのがベターです。
  2. 田植えの時期をしっかり決め、育苗期間を15日~20日にする事。
  3. 慣行栽培でも言えることです。どうしても圃場の条件の悪いところは低速で植え付けをするようにしましょう。

各メーカーの対応機種一覧

すぐにでも始めたい!と思う方もいらっしゃると思いますが、密苗(密播)は全ての田植機で出来るわけではありません。各メーカーの対応機種を記載します。

  適 合 型 式 後付キット価格
クボタ NSU、EP、ZP、WP、NWシリーズ 約2万円
ヤンマー GR後期モデル、YRシリーズ 約20万円
イセキ PZ、NPシリーズ 後日調べる


クボタは横送り回数を増やすギヤは別料金ですが、とても安価でキットを付けることが出来ます。ヤンマーに関しては密苗専用型式が有るため後付けだと割高になっています。

取り敢えずやってみたいという方は上の表のクボタの中古の田植機を買って試しにやってみるのも良いかもしれません。

ですが、個人的にはNW以前のクボタの田植機は性能がイマイチなので余りおすすめはしません。

理由はこちらのリンクに

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次は密苗(密播)栽培の実際の流れや、あれば便利な農機具を紹介します。

【関連記事】密苗(密播)栽培を作業の流れに沿って解説『消毒~催芽』