農機具情報局

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農機具屋が選ぶ溝切機おすすめランキングベスト5!

【2023.06.28 更新】

こんにちは!整備士のRedT(@RedT41921)です。

今回は前回の記事に続き中干し&溝切りについてになります。

www.agurimecha-redt.com

中干しと溝切りの効果については前回でふれたので今回は溝切りに必須の溝切機のご紹介をしていこうと思います。

溝切機とは?

溝切機とはその名の通り水田に溝を切る為の農業機械になります。

エンジンの動力で前の車輪を動かし後ろに付いているプラウの部分で溝を付けていきます。以前は手で押していく手押しタイプの溝切機しかありませんでしたが、最近では自転車の様にまたがって乗りながら溝を付けていく乗用タイプが主流になっています。

どんなメーカーがある?

溝切機の製造メーカーは

・大竹製作所

・吉徳農機

の2社になります。丸山製作所ややまびこ等でも発売されていますが、他のメーカーはOEMでの販売になっています。

OEM先は

大竹製作所→丸山製作所、三菱農機など

吉徳農機→やまびこ

となっています。大竹製作所の溝切機をOEMで販売している会社の方が多い印象があります。

それぞれのホームページは

・大竹製作所

・吉徳農機

となっています。

溝切機のおすすめランキング!

おすすめランキング第5位

やまびこ MKS2320

 
MKS2320の特徴
とにかく軽い!排気量も十分あるのに機体質量11㎏とは驚きです。片手で持ち運びも可能です。
手押しタイプを求める方は皆さん軽さを重視しますので、私が販売する際はこのモデルをおすすめしています。
おすすめランキング第4位

やまびこ MKS4320FR

 
MKS4320FRの特徴
こちらは乗用タイプの溝切機です。今年度から発売された新型になります。前輪が左右にやや切れるので操舵性も抜群です。
昨年まではMKS4310FRの型式で販売されていましたが、正直見比べてもどこが変わったのかは良く解りません…。このモデルは走行スピードが速いのが特徴です。圃場の土質にもよりますが、砂地っぽい圃場であればびっくりするほど早く溝切が出来ます。
しかし、粘土質の圃場には全くの不向きです。前のモデルですが車輪に粘土状の土がくっついてしまい思うように溝切が出来ないという事がありました。新型も車輪の形状は変わっていないはずなので購入の際は注意が必要です。
おすすめランキング第3位

丸山製作所 MKF-A-415

MKF-A-415の特徴

乗用溝切機で最軽量のモデルです。左右のステアリング機能は付いていないので操舵性はややストレスを感じますが、他の乗用管理機の機体質量は24㎏前後ですがこちらのモデルは18.9㎏とかなり軽量になっています。圃場内での方向転換や運搬の時に違いが出ると思います。

おすすめランキング第2位

大竹製作所 NR-1

NR-1の特徴

昨年より発売された大竹の新型乗用溝切機でステアリングが切れるタイプです。

エンジンは三菱、丸山、ゼノアの3社から選択できます。丸山製作所での販売型式はMKF-A-440にエンジンは丸山製のみとなります。

特徴は何といってもエンジンが後ろに付いている事です。以前から発売されていたモデルはエンジンが前に付いていた為、風向きによっては排気ガスがもろに自分の方向に流れてきてしまいました。

ただ、それにより機体質量が若干重くなり、本体のバランスも変わっています。機体を降りずに一筆書きの様に上手く溝切が出来れば別ですが、機体から降りて圃場内で進路変更する際はコツをつかまないと少しやりずらいかと思います。

小売価格も前エンジンタイプよりも高くなっているので値段分の違いがあるかは良く考えてから購入する事をおすすめします。

おすすめランキング第1位

大竹製作所 NTH-1

NTH-1の特徴

農機具屋が選ぶ溝切機、堂々の第1位は大竹製作所のNTH-1です。

丸山製作所での型式はMKF-A-435です。

乗用溝切機が世に登場した当初からステアリングが少しでも切れればもっと楽なのに…と言う農家さんの声を良く聞いたものです。そんな声が聞こえる中、大竹製作所さんが満を持して発売してくれたのがこのモデルです。ステアリングが切れないタイプ(NL-1)を所有していた農家さんはこぞって買い替えていました。中には1年しか使っていない方もいらっしゃいました(汗)

後ろエンジンタイプに比べ車体質量が軽く、値段もぐっと下がります。重量バランスも前傾になっている為、圃場での方向転換も後ろ側をスッと持ち上げることが出来る為スムーズに出来ます。

前エンジンか後ろエンジンどちらが良いかと聞かれたら、私は前エンジンのこちらのタイプをおすすめします。

おすすめランキング番外編

番外編は溝切機では無く溝切機の運搬が楽になる物のご紹介です。

それはこちら『プラウキャリー PC-11』です。

写真の様に軽トラックの後ろに引っ掛けて乗用溝切機を運搬する運搬台です。

乗用溝切機は機体質量が結構あるので、軽トラックの荷台に載せて運搬するのはかなりの重労働です。発売されるや否や売れに売れまっくた商品です。アルミタイプや類似の物もいくつかありますが、こちらの商品が断然使いやすいです。理由は見た目はシンプルながら車輪止めがしっかり付いていて細かい微調整も可能な所です。

注意点は溝切機を固定するバンド等は付属していない事と、この運搬台に溝切機を載せて公道を走る事は禁止されているという事です。

載せたまま私の修理工場に来る農家さんもいらっしゃいますが(汗)優しい警察官なら注意で済むかもしれませんが切符を切られる可能性もあるので絶対にしないようにお願い致します。

まとめ(JSとJKの違い)

今回はおすすめの溝切機を紹介しました。昔は乗用溝切機と言えば田植機を改造して植付部に溝切機を取り付けて溝切りをしていましたが、タイヤでどうしても稲を踏みつぶしてしまったり、排気ガスで稲で焼けてしまったりという事が問題でした。

田面ライダーが発売された時はそのネーミングと共に農家さん達に激震が走ったぐらいの革命的な事でした(笑)

最後に補足ですが、大竹の溝切機はプラウを標準仕様(JS)と超湿田仕様(JK)から選択できます。JKタイプはJSタイプに比べてやや広幅になっている為、切った溝が戻りやすい土質の圃場ではJKタイプを購入される方が良いかと思います。